ピンクのシリコン(非貫通)

クソどうでもいいことばかり書いてある。

とあるオタクの懐古目録 新約2,3巻

禁書振り返りの旅。電撃ノベコミでゆっくり読んでいます。

 

・新約2巻

これまでのあらすじ&魔術関連の説明巻。ねーちんがラジオゾンデ要塞を落としたり、一方通行と浜面と上条withバードウェイで炬燵を囲んだりする。何故か禁書目録さんは炬燵には入っておらず。魔術界隈では対空術式が有名すぎるから魔術師は迂闊に空を飛べない→科学技術で上昇して自由落下するっていう流れは面白かった。ねーちんは劇場版でも似たようなことしてたよね。あのシーン大好きです。

最後に今後の敵グレムリンの名前が出て終了。ちょこっと面白い要素はありつつも勢いはあんまり無かった巻だった。説明巻だからしゃーない。

 

・新約3巻

問題の巻。嘗てはここで脱落しました。読み返して、改めて脱落した理由を思い出した。巷で言われているカメラ視点だけど、個人的には読みづらさは感じなかった。どういうギミックなのかは割とすぐ察しがついちゃったけど。大統領周りがガバガバなのもまぁ…気になるっちゃ気になるけど、そこまで気にするほどではない。あとはよく突っ込まれている、一方通行が御坂に対して言った「あの実験に関してはお前も加害者の側だろ」みたいな発言。これ自体もそこまで気にはならなかった。一方通行からしたら御坂がどんな理由でDNAマップを提供したか分からないだろうし、下手したら妹達編でさえ「自分でクローン作らせておいて実験止めに来るとか何考えてるんだ…?」くらいに捉えてるんじゃないかと。仮にDNAを提供した経緯を知ってたとしても売り言葉に買い言葉でああいうこと言いそうといえば言いそう。

それよりも、個人的に致命的だったのは一方通行と御坂美琴の会話全体がサラっとしてたこと。旧約3巻の妹達編から続く因縁に関しては、もっとじっくりやってほしかったというか…。状況が切迫しているとはいえ、「お前らそんなんでサラっと共闘するの…?」って感じてリアタイ時は萎えちゃった記憶。今回は読み返す直前にアニメ版とある科学の超電磁砲Sの妹達編を見ていたこともあって尚更そう感じた。

読者目線では妹達編の後にロリに出会って変わっていく一方通行を知ってはいるものの、御坂美琴目線だと、セロリとは(俺の記憶が正しければ)旧約3巻以来の邂逅のはず(短編集とかで出会っていたら申し訳ない)。だったら御坂の中の一方通行は足引っこ抜いたり上条をブチ殺そうとしたりしていたヤベー奴のまま止まっているはずなんだよね。そんな奴と数行会話した程度で共闘してしまうのか…と。一応、ハワイやアメリカがヤバイからか「今はそんなことを気にしている場合ではない」とは言っているものの、この辺はあんまり納得できなかった。俺の中では御坂もセロリもそこまで物分かり良いキャラってイメージが無かったからかもしれない。

もっと言えば番外個体に対するリアクションも結構あっさりだったよね御坂さん。そういうことを気にしだすと、打ち止めに対するリアクションがどうだったかが気になってくる。打ち止めに関しては0930事件前の罰ゲームの時に鉢合わせしているはずなんだけど、その時って何かリアクションしてたっけか。手元に旧約12巻が無いので確認が取れないのがもどかしい。アニメ版禁書目録2を確認したところ「あっ」とは言っていたけど、それだけだった。旧約8巻部分ではツリーダイアグラムの残骸だけで実験の再開を危険視して色々行動を起こすほどだった御坂が、打ち止めや番外個体を見てあそこまでリアクション薄いのはなんだかなぁ。読者の目線とキャラの目線がごっちゃになってないか?と感じた。

 

結局、新約3巻はこの共闘()から途中をすっ飛ばして最後のオチだけ読んで終わらせることにした。オチは結構好きです。上条ちゃんが今まで通り人助けした結果、学園都市を取り巻く環境が悪くなってしまったと。たまにはこういうのもいいじゃない。戦いの規模が大きくなって、これまで通りいかなくなってきたような雰囲気も好きです。

 

 

 

個人的な『とある魔術の禁書目録』に対するイメージなんだけど、俺はこの作品には少年漫画っぽさを感じて読んでいた。ちょっとオカルト交じりで、ホラーチックな描写もありつつ、ヤバヤバな事件を上条さんがギリギリのところで解決する。ガバガバ理論の木原神拳や超能力の拡大解釈なんかも「まぁ少年漫画にはよくあることだし」と割り切れる(熱膨張は流石にNGだったが)。でも、旧約16巻だったか17巻あたりから、ちょっとだけ、悪い意味でラノベ寄りになってきたなというイメージが湧いた。ただ、そのあたりは神の右席編ということもあって、勢いも面白さもあったから多少気にしつつも読めていた。んで、神の右席終了後、新約に入ってからは悪い意味でのラノベっぽさが拡大して、勢いが落ちた(気がする)。茶化すべきではないイベントを茶化して終わらせたり、謎のタイミングでギャグを挟んできたり。上記の一方通行と御坂美琴にしてもそうだけど、1読者としては重要視しているイベントを軽く流されるとガッカリしてしまう。勝手な話だけどさ。新約3巻→4巻で売り上げが4万近く落ちているのも納得というか。新約入ってからは物語全体が軽くなっちゃった印象を受けたんだよな、当時は。「このノリで進めちゃうのか」って思った人は俺だけじゃないはず。この辺ちょっと旧約時代から読んでいる人の意見も聞きたいんだけど、何せ約10年前の話だから今更サイトが残っているはずもなく…。探すのもめんどくさいので。

 

あと、新約序盤の印象強い新キャラって女ばっかで、ロリだらけだった印象がある。個人的には「禁書目録の男キャラの多さは魅力の一つだったけど、これも時代かぁ…」とがっかりした思い出。これも俺の言う悪い意味でのラノベっぽさ。果たして新約4巻以降に垣根帝督やアックアのような魅力的な男キャラは登場するのでしょうか。私、気になります。

ちなみにここまで全部俺の印象。読書感想文にすらなってないです。ただ、この辺りはやっぱり話を雑に進めすぎだと思うし、今でいう「公式が解釈違い」ってのをフルスロットルで感じていた。

 

とは言え、amazonレビューを見ている限り、新約8巻~10巻あたりは評価が高そうなので、そこまでは頑張って読んでみるつもり。

 

今回はこの辺りで。新約2巻は改めて読むと復習になってよかったし、魔術的な設定を知れてよかった。ただ、新約3巻は良くも悪くも当時のことを思い出す1冊だった。はたして新約4巻はどうなるのだろうか。それはまだ混沌の中。それがドロヘドロ